富士吉田市議会市議会議員横山勇志一般質問


公な意見でもあり、市政への質問です
一般質問録
≪第一回(2007年12月)横山勇志一般質問≫

 平成19年第6回、12月定例会において一般質問の機会を与えていただきましたことに対して、先輩議員各位に心から感謝申し上げます。
 まず、先般の統一地方選挙において、私は富士吉田市を元気に、富士北麓地域を元気にすることをスローガンに挙げ、脱派閥、派閥による政治の弊害から市政を取り戻すために、支援者とともに選挙戦を戦ってまいりました。支援者の方々には感謝の言葉が見つからない程、私の心に重く受けとめております。その選挙戦の中で、私が常に訴えてきた、未来に希望の持てるまち、夢を描けるまちの実現に向けての熱い想いが、支援の輪を確実に広げていった結果と確信し、堀内市長におきましても、このまちを思う気持は私と一緒だと、真に勝手ながら想像しております。
 厳しい財政状況ではありますが、地域の希望無くしては行政は成り立ちません。財政状況の分析はしっかりと行うことはもちろんですが、同時に将来への投資も、大胆かつ柔軟に行うことも大切だと思います。特に将来の地域を担う若い世代や、今まさに子育て中の世代に対しても、夢の描けるような市政でなければいけないと思うのであります。
その夢の実現のために市長も協力し、我々議員も一生懸命、市民のために走りまわるべきであると考えております。
 それでは今回、私が質問をする事は、先端環境技術と融合するまちづくりと教育機関の誘致について、医療体制についての2点を市長にお尋ねしたいと思います。
≪先端環境技術と融合するまちづくりと教育機関の誘致について1回目質問≫

 まず標題1として、先端環境技術と融合するまちづくりと教育機関の誘致についてご質問いたします。
 私は、これからのまちの在り方を考えたとき、住民参加型の環境政策が最も重要になると考えております。一言で言うなら、富士吉田市を日本の環境先進地域の拠点とし、企業も、研究施設も、市民も、お互いに協力し合いながら、先端環境技術を有効利用し、かつ、循環型環境文化圏を構成する実験都市にすることが、本市の将来を見据えたビジョンであると考えております。
 富士吉田市は平成17年に環境基本条例を策定し、ISO14001に取り組む中で富士吉田市地球温暖化防止計画をたてて環境政策を展開しておりますが、さらにそれらを一歩進めた新しい考えが私たちに必要です。本市は富士山を抱え、素晴らしい環境に恵まれていていると同時に、富士山が世界文化遺産候補となっていることは皆さん周知のことと思います。この事こそ、本市が日本中、あるいは世界中にアピールできる強力な財産であり、この恵まれた環境を大切にすることはもちろんですが、本市は首都圏に近いという立地条件から様々な企業や研究所ならびに教育機関の環境部門進出を容易にする利点があります。本市がエネルギー媒体や省エネ技術等の先端環境技術を持った産業を誘致することは、本市はもとより、日本の産業界の要請に照らし合わせて考えてみても必要な政策だと考えます。また、それらを支援する研究所や教育機関の誘致も同時に大切なことです。このことは、市長が現在進めている慶応義塾大学と関連していますので市長のお考えをお伺いします。
 また、誘致のみに留まらず、本市が環境や景観を含めた総合的な市民参加型の環境立市への取り組みが実現したならば、循環型環境技術を活用し、環境と景観に配慮した21世紀型の街並みを求めて、国内外から多くの人々が訪れ、新しい観光地、新しい癒しの地になるものと確信しております。これはまさに、本市を中心とした富士北麓全体が「環境のテーマパーク」と位置付けられる新しい産業の起爆剤になるものであります。
 そのための第一歩として、富士吉田市は環境先進地域の宣言を市長自ら他に先んじてマスコミ等を活用しながら市民はもとより、外に向けてのアピールを続けることが大切だと思いますが、以上のコンセプトや環境、景観に関する市長の考えをお聞かせ下さい。
 これにて、標題1、先端環境技術と融合するまちづくりと教育機関の誘致についての1回目の質問を終わります。

《横山勇志議員 第1標題1回目の質問に対する答弁》

 横山勇志議員の先端環境技術と融合するまちづくりと教育機関の誘致についての御質問にお答えいたします。
 まず、企業や教育機関等の誘致についてでありますが、横山議員御発言のとおり、本市は、富士山を有するすばらしい自然環境と首都圏に近い良好な立地条件、更には、清らかな空気と清涼な水という貴重な資源に恵まれております。
 既に、これらの資源を求め、精密機械関連企業やミネラルウォーターの生産企業が進出するなど、本市は企業誘致のための高いポテンシャルを有した地域であることから、今後は環境保全に貢献できる新たな産業の創出や教育機関も含む関連企業等の誘致などに努力して参りたいと考えております。
 これらのことを一つの背景として、市議会の御理解をいただき、今月4日には、山梨県並びに慶應義塾との連携のための協定を締結したところであります。
 これは、富士北麓の環境及び森林文化を基軸にして、山梨県と慶應義塾並びに本市が包括的な連携のもと、慶應義塾の知的支援を受けることにより、イノベーションによる新たな価値の創造とこれに呼応した地域づくりを図り、持続的発展を目指すものであります。
 今後はこの協定に基づき、様々な連携を始めることになりますが、本市の地域力と慶應義塾の創造力とを融合させ、本市独自の方向性を導き出して参りたいと考えております。

 次に、環境先進地域の宣言及び環境、景観に関する考えについてでありますが、本市は、富士吉田市総合計画に示された将来像を具現化するため、まず平成14年2月に環境に関する国際標準規格でありますISO14001を認証取得し、同年3月には都市計画マスタープランを策定し、また平成17年3月には富士吉田市環境基本条例の制定及び環境基本計画の策定、さらには平成19年2月に新エネルギービジョンを策定しております。
 したがいまして、ISO14001を認証取得してからすでに5年以上が経過する中で、公共施設への太陽光発電システムの設置や地下水保全のための定点観測、公用車の低公害車化、さらには、マイクロ水力発電への取り組みなど、各種の環境施策を展開しており、すでに本市は環境先進都市として、さまざまな事業を積極的に推進しているところであります。
 今後におきましても、富士吉田市環境基本計画等をさらに推進し、先人から引き継いだ恵み豊かな環境を将来の世代に継承していくためには、市民、事業者、行政等の各主体の参加と協働が必要であります。一人ひとりが、環境に対する自らの責任を自覚しつつ、地域を挙げて、より良い環境をつくっていこうという意識の高まりが、望ましい環境像でありますので、市民参加型の環境立市の実現を目指すため、なお一層、市民等への意識醸成を図りつつ、環境先進都市としての取り組みを、市内外に向け広くアピールして参りたいと考えております。
 以上、答弁といたします。
≪先端環境技術と融合するまちづくりと教育機関の誘致について2回目質問≫

 標題1の先端環境技術と融合するまちづくりと教育機関の誘致について2回目の質問をいたします。
 私は、1回目の答弁をお聞きし、大変申し訳ありませんが、そのような趣旨の答弁を望んだわけではありません。私が本当にお聞きしたいのは、本市の環境政策を踏まえた上で、さらに一歩進めたビジョンについてであり、市長の気構えなのです。以上の事を念頭に質問に移ります。
 まず、教育機関の誘致問題と慶応義塾でありますが、市長は「自然環境を生かした地域づくりのため、知的支援を受けつつ本市独自の方向性を導く」と答弁していますが、私を含め市民の多くが具体的な未来像を想像することができていないと思います。そこで、市長は今後行われるであろう「推進委員会」の具体的な内容を広く市民に伝えていくべきだと思います。
 知的支援に関連した動きとして、市民レベルで県から本市に山梨県立産業技術短期大学校の誘致を実現させる運動が現在進行中で、そのような輪の中で、私を含め私を支援してくれている若者たちも一緒になって署名活動を行っている最中であります。ご存じのとおり、郡内地域には多くの電子産業関連の企業がありますが、高校を卒業しただけでは戦力となりえず、最低でも2年間の専門教育が必要とのことです。そのような現状を踏まえますと、地元を離れ勉学に励んだのに他地域で就職をし、地元に帰ってこないという状況が生まれている現在、このような教育機関が本市に必要だと思っております。そして同大学校誘致の構想の中に、地元企業の協力を得ながら、講師陣として知的支援を受けながら運用していくことも想定されており、同大学校の誘致が本市に実現したならば企業と教育機関と住民の具体的な連携が完成するものであり、慶応義塾の知的支援も企業との連携を視野に入れて取り組んでいくことが本市の発展に寄与すると思いますが、市長の考えをお伺いいたします。
次に先端環境技術と融合するまちづくりについてですが、市長の答弁にもありましたように、本市はいくつかの環境政策を実施している最中でありますが、市民にそのことが伝わっているのか非常に疑問に感じます。また、ISO14001を取得してから5年以上の経過で本市は環境先進都市として、さまざまな事業を積極的に推進しているとありますが、市民にそのことが理解されているとは考えられません。新エネルギービジョンを実施している公共団体数は平成18年3月現在で本市を含め全国703個所、県内は13箇所、省エネルギービジョンの実施は平成18年3月現在で全国215個所、県内は0箇所です。施策内容を見てみますと、本市より進んだ考えの自治体もあれば、本市と大きくは変わらない自治体も存在しています。本市は、第1回質問で述べたとおり、富士山という素晴らしい環境を抱えている条件から他と差別化しやすい利点があります。この利点を最大限に活用することこそ私の質問の主旨であり、ひいては本市の未来像なのです。
 私は環境対策の根本は住民を含め、市長や本市そのものの気構えが大切な要因だと思います。その気構えを表現するための近道は、市長自身の環境先進地域の宣言であり、国内外に向けてのアピールであると考えます。つまり「市をあげて皆で知恵を出し合いましょう」ということです。この最も効率的で効果的な手法を実践できないならば、面倒なことは避けて通る行政の怠慢と市民に揶揄されても仕方のないことだと思います。皆さんご存じのとおり、本市は市長が変わるたびに方針が大きく変更され、定まったビジョンの構築というものが成されない不幸な状態が続きました。堀内市長の英断のもと、そろそろ市政も一歩足を踏み出して、市民とともに共通のビジョンに向って責任ある行動をとるべきであると考える時期です。市民の目線で「ああ、市は頑張っているな」と思われなければ意味がありません。
 具体的には、市長自ら環境先進地域の宣言を行い、市長車を手始めに公用車を徐々にエコカーに切りかえ、できることならば、車体に富士山の写真か絵を描いて走りまわるぐらいの気構えを見せてほしいと思います。また住民に対しては、ハイブリッド車購入補助等の住民の意識改革に繋がるような、目に見える環境への取り組みを促進させる手厚い施策を優先的に実施するべきであると考えます。さらに、内外に向けてソーラーカーレース開催のような環境イベントを実施することも大切なアピールの方法だと考えます。その一歩進んだ行為の積み重ねが本市のブランド力を高め、企業誘致等を有利に展開できるはずであります。
 環境を企業理念に取り入れている会社の企業誘致に関していえば、先端環境技術の会社は大企業以外にも、小さいけれど将来性のある優秀な企業や市場を独占しているような企業も数多く存在しております。環境技術の輸出に積極的なスウェーデンの例を見ても、環境技術輸出企業の77%は従業員数50人未満の中小企業で、企業間のネットワークを構築することが有効であると知られていますが、そのような企業が環境と景観に配慮した街並みの中に誘致され、住民は企業技術の実験に積極参加し、行政や大中小企業、あるいは教育機関とともに歩んでいく将来像を描き、アピールすることこそ執行者の大切な責務だと思います。
 以上を踏まえた上で、市長の前向きな考えをお伺いいたします。
 これにて2回目の質問を終わります。
《横山勇志議員 第1標題2回目の質問に対する答弁》

 横山議員の2回目の御質問にお答えいたします。
 まず、教育機関の誘致と慶應義塾との連携についてでありますが、御案内のとおり慶應義塾との連携につきましては、市長就任早々から私の優先課題としての位置づけを行い、山梨県からの御協力を仰ぎ、両者お互いがまず理解を深め合うことから始め、様々な協議を重ねてきたところであります。
 過日、こうした取組みと市議会の御理解が協定の締結に結びつき、ようやく緒に就くことができましたが、今後は、慶應義塾、山梨県及び本市等で構成する「推進委員会」を組織し、知的支援を受けるとともに、広く市民の皆様からも御意見を伺いながら本市が独自のまちづくり進める上で、早急に結果を求めることなく、中長期的な視点に立ち、様々な可能性を探って参りたいと考えております。
 慶應義塾との連携につきましては、初日の議案説明要旨の中におきましても一部触れさせていただきましたが、連携の目指すところの一つといたしまして、慶應義塾との連携を核として、富士北麓地域における産学官などのより大きなネットワークづくりへと発展させ、この地域にふさわしい新たな産業おこしなどに結びつけて参りたい旨、申し述べたところであります。
 このことは、横山議員が御質問の中で若年層人口の定着や産業振興策などの地域振興策について御提言をされておりますが、その基本とするところは、相通ずるものと考えております。
 加えて、この産学官の「学」につきましては、まさに教育機関であり横山議員御発言の県立産業技術短期大学校の誘致につきましても、ネットワークづくりの過程でその必要性について明確な位置づけがなされるなど、熟度の高まりを見計らい、富士北麓地域全体の課題としなければならないと考えております。

 次に、先端環境技術と融合するまちづくりについてでありますが、横山議員御発言のとおり、本市は、日本一高く美しい霊峰富士に抱かれ、周辺の豊かな大自然に恵まれた素晴らしい環境を有すると同時に、この素晴らしい自然環境を守り、次の世代に継承していかなければならない責務をも有しております。
 こうしたことから、本市におきましては、環境基本条例に基づき、「環境について知る機会の創出」、「まちをきれいにする運動の推進」、「富士山の自然と歴史・文化を学び環境保全の意識の高揚」、「ごみ減量化の推進」、「自然エネルギーの利用促進」という5つの重点プロジェクトを定め、これまでにもさまざまな環境に対する施策を進めてきたところであります。
 具体的な取組みといたしましては、環境フェスティバルや「吉田の優れた自然マップ」作成のためのフィールドワーク、小中学生を対象とする環境保全に関する講演会、さらには親子で学ぶ森づくり体験などを開催する中で、子供から高齢者までの各世代に、環境教育や自然を学ぶ機会を積極的に提供し、自然環境保護に努めて参ったところであります。
 特に、自然エネルギー利用促進につきましては、先ほど答弁申し上げましたとおり、太陽光発電や水力発電などへの取組みをはじめ、横山議員御発言の公用車の低公害車化を積極的に進めているところであります。
 さらに本年度におきましては、明見湖の自然環境を保全するとともに、自然体験学習や環境教育の拠点ともなる明見湖公園を地元主導方式により整備したところでもあります。
 今後におきましては、さらにこれらの取組みを積極的に展開していくとともに、市民への周知はもとより、全国に向けても広くアピールして参りたいと考えております。
 また、環境を企業理念に取り入れている企業の誘致につきましては、環境負荷の少ないことはもとより、本市の優れた自然環境をイメージ戦略として、また、企業資源としても活用できるような企業の誘致についても取り組んで参りたいと考えております。
 以上、答弁といたします。
≪医療体制について1回目質問≫

厳しい財政状況の中、本市にとって重要なキーワードは、富士山、環境、新規産業、そして気構えです。本市は今まさに、今後どのようなビジョンを持っていくべきなのかが問われております。
 私はその答えの一つとして、富士山と自然を有効活用し、先端環境技術と景観に配慮した新しい観光地、新しい癒しの地を本市に実現させ、本市を中心とした富士北麓全体が「環境のテーマパーク」と位置付けられる新しい産業を育てることだと思います。そして近い将来には、環境先進地域としてのオピニオンリーダーとなり、本市にて国際シンポジウムを開けるようなまちになってほしいと思っております。
この問題は長期ビジョンでとらえる必要もありますから、私のライフワークとしてシリーズ化した質問にしていきたいと考えています。

続きまして、標題2、医療体制についてご質問します。
 市長はこのたびの市長選のマニュフェストの中で、より安心できる医療体制を整えるとともに小児救急医療体制の確立、また、子育てしたいNo.1のまちを挙げています。
 私も子供を持つ親の一人として初めて分かったことなのですが、子供というのは、深夜に突然発熱したり具合が悪くなったりします。私の実際の体験を話しますと、「忘れもしません今年の4月、統一地方選挙の投票日の深夜3時頃、子供が突然高熱を出し、急いで市立病院に駆け込みました。しかし先生は小児は専門外とのことで、小児専門の先生に診てもらうために、急きょ甲府まで車を走らせるという事態になりました。」
この時の親の不安な気持ちは言葉では言い表せないものがあり、私以外の親御さんにとっても全く同じであろうと思います。甲府市にある小児初期救急医療センターが、富士北麓地域にもあったならば、安心して子育てができると思います。
富士北麓地域の県人口率は19%、郡内全域を入れると22%になります。ところが、甲府市にある小児初期救急医療センターの郡内利用者は平成18年度で約1%と極めて低い利用率です。むしろ利用ができないと言うべきでしょうか。郡内地域にも是非必要な施設であることは間違いありません。
県では昨年の12月県定例会で郡内地域への小児初期救急医療センターの設置を明らかにし、横内知事の公約を経て平成20年度に郡内地域へも開設する予定となっています。
本市は郡内、特に富士北麓地域の人口面、あるいは都留市の高速道路フルインター化を踏まえた交通アクセス面から立地条件として有利です。
 さらに、新築移転した市立病院は、医療機器等も充実していることから見ても本市に設置することが最適であることは疑いの余地はありません。
現在、郡内地域への小児初期救急医療センターの開設は、県の主導により場所の選定に入っていると聞き及んでいます。市長の公約にも明言されているとおり、安全で安心のまちづくりのためにも、本市に当該センターが設置されるよう実現に向けて強く関係機関に働きかけるべきと思いますが、市長の考え方をお伺いいたします。
次に、市立病院の医師や看護師等の医療従事者の確保対策について質問します。
小児初期救急医療センターで診察を受けられたとしても、入院や詳しい検査等が必要な場合は市立病院にまわされることになります。最近のマスメディアでは全国的な医師や看護師の偏在や不足が取り上げられ、県内の病院でも医師が確保できない診療科は診療の休止に追い込まれているところがあります。私は、市立病院は大丈夫かと心配している一人です。
昨年から市の広報紙に市立病院の医師や看護師による医療現場のことが克明に書かれた連載があり、私も毎月興味深く読んでいます。その中で、多くの医師が当直や夜間の呼出しなどで長時間の時間外労働をしていること。一晩中、緊急手術を行っても、翌朝は外来の診療をしなければならないこと。仲間と集まっても自分だけはお酒を飲めないなど様々な制約の中で、市民の命を守るために大変過酷な勤務をしていただいていることが分かりました。
看護師にしても、医療の高度化・複雑化による業務の拡大、がん治療等の専門的な知識や技術を必要とする診療の介助など、年々負担が増加し労働条件が悪化している状況を知ることができました。さらに昨年4月の診療報酬改定により新たな看護基準がつくられ看護師の獲得競争が激化しているなど、看護師不足という問題があります。
こうした現状の中でこの地域の医療を守るためには、医師や看護師などを十分に確保することが必要であり、そのためにはまず、働きやすい労働条件や環境づくりを行わなければ、この地域からも医師や看護師がいなくなってしまうのではと感ずるのは、私一人だけではないと思います。
そこで、市立病院の医師をはじめとする医療従事者の確保のために、労働条件や環境の改善について、市長の考え方をお伺いいたします。
これにて、標題2、医療体制についての1回目の質問を終わります。
《横山勇志議員 第2標題1回目の質問に対する答弁》

 医療体制についての御質問にお答えいたします。
 まず、富士北麓地域への小児初期救急医療センターの開設についてでありますが、富士・東部地域への小児初期救急医療センター設置に向け、県は本年9月に、小児科医や公立病院関係者からなる富士・東部地域小児救急医療検討委員会を立ち上げ、すでに2回の検討委員会が開催されております。この委員会におきまして、小児科医の勤務体制や準深夜帯での対応などの小児初期救急医療体制の取扱いが確認されております。今後は、開設時期や場所等の具体的な論議がなされるものとなっておりますので、検討委員会の論議の内容を注視し、適切に対処して参りたいと考えております。
 御指摘の関係機関への働きかけにつきましては、富士五湖広域行政圏を統括する者の当然の責務として、今月5日、1市2町3村の首長と本市及び南都留郡選出の県議会議員連名にて知事に当該地区への設置要望を行ったところであります。
 緊急の課題であります小児初期救急医療施設につきましては、地理的条件はもとより、2次医療の補完体制や医師の勤務条件の判断など、総合的視野に立ち選定されるべきであると認識しております。このため、これらの要素を踏まえ、設置に必要な条件を整え、今後も、富士五湖広域行政圏の懸案事項として関係町村との連携強化や地元医師会との一体化を図る中で、地元県議会議員の御支援をいただきながら、県に強力に働きかけを行い、この地域への平成20年度中の設置に向け、最大限の努力を傾注して参りたいと考えております。

 次に、医療従事者の確保対策についてでありますが、現在、公立病院をめぐる国の動向におきましては、本年5月の経済財政諮問会議以降、7月には公立病院改革懇談会が設置され、11月には公立病院改革のガイドライン案が公表されました。そこでは、平成20年度中に各自治体による公立病院の経営改革計画の策定と公表が義務づけられております。これは、公立病院の赤字経営にメスを入れていくことで自治体の財政健全化を図るという意図でありますが、病院の経営面だけが大きく取り扱われ、各地域の持つ特徴やそれぞれの地域での公立病院の役割特性、医療の質についての十分な検討が無い中での病院改革では、地域住民の医療ニーズに応えられる病院づくりや医療体制づくりにとっては、甚だ難しいことになるのではないかと危惧しているところであります。
 このような状況下で、これまでどおり、地域に安全な医療を安定して提供できる公立病院であり続けるためには、横山議員御発言のとおり、まず、医師や看護師等の医療従事者の確保が必須であり、そのためには執務環境や労働環境の改善など、医療従事者の勤務体制の整備がその前提となるものであると考えております。
 私は、医療従事者の確保のため、その勤務体制の整備を考える上で、重要になるのは、まずもって、市立病院の役割の明確化であろうと考えております。本地域におきましては、病院勤務医が負っている業務は非常に広範囲に及んでおり、それが過重な勤務状況を生みだしている要因の一つになっているものと考えており、それに対し、現在、富士・東部医療圏においては、1次2次医療体制の整備が課題となっているところであります。
 このため、どこまでが市立病院が直接担うべき医療なのかを検討し、他の公的病院や民間医療機関との役割分担を図りながら、市立病院の担うべき役割を明確にし、その役割を超えた部分での負担を極力なくしていくことが、医療従事者の負担軽減を図る上で重要であると考えております。
 今、富士・東部医療圏では、平成20年度中の設置を予定している小児初期救急医療センターの開設に向けての準備が進んでおり、また、産科の機能集約化につきましては、すでに関係者による専門部会が設置され、検討が始まっております。これにより、当該診療科の病院勤務医の負担は軽減されるものと思われます。
 また、その他の診療科におきましても、一般外来の土曜休診等の実施による医師、看護師をはじめとする医療従事者の勤務体制の改善などを検討すべきであると考えております。
 以上、答弁といたします。
≪医療体制について2回目質問≫

標題2医療体制について2回目質問をいたします。
小児救急医療センターの設置については、単純に地図上の要素で決められない部分があり、交通のアクセス時間を考慮しても、本市が最も適地であると考えております。
また、本市を中心とした富士北麓地域は、春先から秋口までの観光シーズンに人口が確実に増えますので、その設置に向けて努力していただくこととし、医療従事者の確保対策についての2回目の質問をします。
1回目の市長の答弁で、公立病院をめぐる国の動向により、平成20年度には各自治体で公立病院の経営改革計画の策定と公表が義務付けられているとの説明がありましたが、富士吉田市立病院においても、病院改革の荒波の真っ只中にあるということがよくわかりました。
市長は、このような状況の下で、当地域に安全な医療を、安定して提供できる公立病院であり続けるためには、医師や看護師等の医療従事者の確保が必須であり、そのためには執務環境や労働環境の改善など、医療従事者の勤務体制の整備がその前提となるものである。また、そのために重要になるのは、まずもって、市立病院の役割の明確化であるとの考えを述べられましたが、市長の考える市立病院のあるべき役割・機能についてお伺います。
また、市長におかれましては、現在、医療従事者の確保に大変ご苦労をいただいており、先程の答弁では、医療従事者の勤務体制の改善策として、一般外来の土曜日休診を述べられていますが、具体的に検討を行っているとするならば、その取り組み内容等についてお伺いします。
以上、2回目の質問を終わります。
《横山勇志議員 第2標題2回目の質問に対する答弁》

 横山議員の2回目の御質問にお答えいたします。
 まず、市立病院のあるべき役割・機能についてでありますが、御案内のとおり市立病院は、市民をはじめとして広範囲にわたる富士・東部医療圏域内の皆様の健康保持に必要な医療の提供と、地域医療の確保及び保健衛生の向上等を目的として設置、運営しております。
 しかし、その施設規模や人員体制など、果たす役割には自ずと制約があることも、一方の事実として御理解をいただきたいと存じます。
 私は、このような実情の中で、市立病院を良好に運営・維持していくためには、地元医師会等の協力のもと、今まで以上に市立病院と診療所との連携、いわゆる「病診連携」を推し進めることが必要であると考えております。
 これには、比較的症状の軽い方は、診療所の先生に診ていただく1次医療として、いわゆる「かかりつけ医」の診療により日頃の健康保持に努めていただき、入院や手術を必要とされる比較的症状の重い方は、市立病院で精密検査を受けるなどの高度医療として2次医療を受けていただくなど、市立病院と診療所がそれぞれの役割と機能を分担する中で、効率的でより良質な地域医療を提供するための体制を確立することが重要であると考えております。
 次に、一般外来の土曜日休診についてでありますが、まず、これまでどおり救急患者の皆様には最善を尽さなければならないことは当然のことであり、その他の課題なども十分に検討しなければなりません。現在、山梨赤十字病院との相互協力体制や地元医師会との病診連携の更なる充実による協力体制など、協議・検討を行っているところであります。なお、具体的な検討内容等につきましては、市立病院事務長をして答弁いたさせます。
 いずれにいたしましても、市立病院は富士・東部医療圏域内の公立病院の中でも、特に産婦人科や小児科の医師を確保するなど、万全な体制で住民の皆様の医療ニーズにお応えしております。
 今後も勤務医師や看護師等の医療従事者を十分に確保していくためには、適正な労働環境の整備及び負担軽減に努めなければなりません。地元医師会をはじめとする関係各機関、地域住民の方々の御理解、御協力をいただく中で、市立病院の役割・機能を十分発揮できるような地域医療提供体制の確立に努め、安全で安心な医療サービスを提供して参りたいと考えております。
 以上、私からの答弁といたします。

≪市立病院事務長答弁≫

 横山議員の一般外来の土曜日休診についての御質問にお答えいたします。
 現在、山梨赤十字病院とは医師を中心とした関係職員による調整ための話し合いを行っております。具体的には、その移行期として、双方の病院が毎週土曜日に休診するのではなく、休診日が重ならないような隔週での休診を検討しているところであります。
 また、現在、オンコール体制により万全を期している救急患者の受入れにつきましては、これまでと同様とすることとし、なお一層の体制整備のため、救急時の受入れ時間のスムーズな切替え方法の検討など、双方の病院の役割分担につきましても話し合いを行っております。
 さらには、地元医師会との病診連携の充実及び隔週休診に向けての御協力をいただくために役員会等での協議をも行っております。
 以上、答弁といたします。

≪最後のあいさつ ≫

 市長におきましては、従来の市政にとらわれることなく、大胆かつ柔軟に首長としての立場を有効活用し、積極的に内外に向けて本市をアピールし続けることを希望いたします。そして、知恵を出し続けることを惜しまなければ必ず明るい未来が見えてくると確信しております。私たちは次世代に対して良いものをたくさん残しておく責務があります。決して私たちのつけを負わせることのないよう、知恵を出し合いましょう。
 これにて私の一般質問を終わります。