富士吉田市議会市議会議員横山勇志一般質問


公な意見でもあり、市政への質問です
一般質問録
≪第二回(2008年6月)横山勇志一般質問≫

 平成20年6月定例議会において一般質問をさせていただきます。
 昨年の平成19年4月に初当選してから私の議員生活も1年以上が過ぎ、今改めて1年を振り返りますと、時の流れの速さを痛感しております。地方分権の進展や厳しい財政状況の中、堀内市長は就任を1年以上過ぎまして色々ご苦労されているとご推察いたしますが、着実に市政を運営し、また、いくつかの実績もあげられ、大変頼もしく思っております。
≪医療体制について1回目質問≫

 さて、今回私の質問は、「医療体制について」、「環境と景観に配慮したまちづくりと富士山世界文化遺産の登録について」、「農業政策について」の3点を市長にお尋ねしたいと思います。
 まず、標題一としまして、医療体制についてのご質問をします。
 その前に、平成19年12月定例議会の一般質問の中で私が触れていた「本市に小児初期救急医療センターを誘致する件」について、平成20年3月末に本市に設置決定となったことを素直に喜び、横内知事並びに堀内市長を始めとする近隣市町村長、さらに県議会議員、及び、関係各位並びに誘致先を決定してくださった検討委員会の皆様に市民代表の一人として厚く感謝しております。
 さて、小児初期救急医療センターを本市に設置するということは、現在の医療体制全体の問題から鑑みて、一つの通過点に過ぎないことを再認識していただきたいと思います。中でも2次医療、3次医療の充実がなければ、たとえ小児初期救急医療センターが本市にあったとしても、その本来の役割を十分に機能させることができません。
 小児科の医師に限らず、全体的に医師不足が叫ばれている昨今、特に地方における医師の不足は深刻で、本市としても何らかの対策を講じておかなければ将来に不安を残す結果となり、住民に医療サービスを提供することが困難になっていくと危惧しております。
 私は、そのような将来の不安を解消するためにも、研修医優遇措置や外国人医師等の採用も視野に入れた大胆な施策が早急に必要ではないかと考えており、そして、もし必要なら、県や国と連携して研修医が働きやすい環境を整備するほか、外国人医師の医療行為を認める地方特区の取得に向けた積極的な努力を行うべきだと考えますが、本市としては、どのようにして医師の確保を行うのか、また、その待遇はどのように図っていく所存なのか市長の考えをお伺いいたします。
 また、小児初期救急医療センターの設置を契機にして、富士北麓地域全体の医療体制の連携が必要となることは疑いの余地がありません。センター運営費の例を挙げても、年間運営費が約7千2百万円、二次輪番病院の運営費を加算すると1億2百万円と見積もられており、県負担が3分の2、近隣市町村の負担が3分の1で、その3分の1の中から近隣市町村は均等割り5万円と、患者の利用実績に応じて各々負担することになっております。
 医療を受ける人にとっては、地域格差はなく、結果的により良い医療を受けることが最も大切なことだと考えます。小児初期救急医療センターの設置に伴い2次医療、3次医療の充実は結果的に全体的な医療体制の充実へと繋がることから、本市だけの問題に留まらない部分があります。
 そのような観点から、本市は市立病院を含めた総合的な医療体制について運営費をどのように考えているのか、また、近隣市町村との連携をどのように考えているのか併せて市長にお伺いいたします。
 これにて、標題1、医療体制についての1回目の質問を終わります。

《横山勇志議員 第1標題1回目の質問に対する答弁》

 横山勇志議員の医療体制についての御質問にお答えいたします。
 まず、医師確保とその待遇についてでありますが、横山議員御発言のとおり、地方における医師不足は深刻で、その確保対策としての執務環境や労働環境の改善は急務とされています。
 現在、市立病院の勤務医が担う役割が非常に広範囲に及んでいるため、過重な勤務状況を生み出しており、これらの負担を極力無くしていくことが勤務医の負担軽減や勤務医の確保を図る上で重要であると考えております。
 これらの改善を図る上で重要となるのは、富士・東部医療圏において市立病院が担うべき役割の明確化であります。本来、市立病院が担うべき中心的な役割は当該圏域の二次医療であり、小児初期救急医療センターの設置が本市に決定いたしましたことは、休日、夜間における小児一次医療体制が整い、市立病院や山梨赤十字病院との連携を推進することにより、なお一層、二次医療体制の充実が図られることとなり、その結果、病院勤務医の負担も大きく軽減されるものと考えております。
 また、地域の医療機関である地元医師会との一次医療、二次医療の役割分担の明確化や連携体制の強化を進めることにより、更なる効果が期待できるものと考えております。
 また、医師の派遣につきましては、派遣元である大学病院に依頼している状況にありますが、現在、大学病院とは良好な関係が保たれており、本年4月には2名の増員が図られたところであります。今後につきましても、良好な関係を維持し、安定した医師の派遣を積極的に働きかけて参りたいと考えております。
 さらに、横山議員御提案の研修医の受入れにつきましては、制度発足以来、山梨大学医学部付属病院の協力型臨床研修病院となっておりますが、管理型臨床研修病院の取得を市立病院の今年度の重点目標のひとつとして掲げ、研修体制、研修プログラム、施設整備等、ワーキンググループを設置し、その取得に向けた検討に着手したところであります。
 これらにより、勤務医の負担軽減が図られるとともに、二次医療体制の充実を推進することが可能となり、その結果として、効率的で良質な地域医療を市民の皆様や圏域の皆様に提供できるものと考えております。
 なお、外国人医師の医療行為を認める特区の取得につきましては、厚生労働省が本年3月、これを認める構造改革特区や規制緩和について、現行制度である外国人医師の研修を目的として医療行為を認めた臨床修練制度において対応可能であり、特区の必要はないとする結論を出しておりますので、今後の動向を見守って参りたいと考えております。
 次に、小児初期救急医療センターと地域医療機関との連携及び小児初期救急医療センター運営費負担金等についてでありますが、小児初期救急医療センターにつきましては、関係機関の御尽力をいただき、本年5月13日、富士北麓総合医療センターへの設置が決定され、秋の開設に備え、諸準備を行っているところであります。今回、設置される小児初期救急医療センターは、富士・東部医療圏における小児医療の充実を図ることを目的に、山梨県及び県下28市町村で構成される山梨県小児救急医療事業推進委員会により設置・運営されるものであります。申し上げるまでもなく、小児救急は軽度な患者に対応する初期救急と重篤患者に対応する二次救急の体制で行われるため、当然、地域医師会や基幹病院をはじめとした医療機関との連携が不可欠であります。本市といたしましては、医師会、市立病院、山梨赤十字病院、都留市立病院をはじめとする関係医療機関、また、富士・東部医療圏の関係市町村との連携を密にする中、小児初期救急医療センターを最大限利活用し、本市の医療をはじめ、富士・東部地域全体の医療体制の充実に鋭意努力して参りたいと考えております。
 また、小児初期救急医療センター運営費負担金につきましては、横山議員御承知のとおり、患者利用率等、小児初期救急医療センターの運営主体である山梨県小児救急医療事業推進委員会の基準に基づき負担するものであります。御質問の富士北麓地域における総合的な医療体制に伴う運営費につきましては、休日夜間救急医療を含め、今後、山梨県をはじめ、関係市町村、医療機関と必要に応じ、協議検討して参りたいと考えております。
 以上、答弁といたします。
≪医療体制について2回目質問≫

 市民にとって医療体制の充実は、将来の不安を払拭させる大切な問題です。したがって、医療体制の問題は、周囲の動向を見守るのではなく、本市にできることは積極的に行動し、その一方で近隣市町村や県や国に働きかけることが必要なら、本市が外に向けて積極的に働きかけることが大切だと考えます。
 特に、市立病院の赤字は本市の財政を圧迫しており、本市の医療体制はもとより、本市そのものの将来を左右する重要な問題だと考える必要があり、ひいては近隣市町村との連携が大切になる訳です。ところが、一般外来の土曜日休診を例にあげると、市長は、前年12月定例議会の中で「一般外来の土曜日休診については、山梨赤十字病院との協議の中で、双方の病院が毎週土曜日に休診するのではなく、休診日が重ならないような隔週での休診を検討している」と私の質問に答弁されました。しかし、市立病院の外来休診日は、本年6月より第1、第3及び第5で全科が休診となり、山梨赤十字病院も本年7月から第1、第3及び第5で外来診療がなくなる予定です。つまり、両病院の休診日が重なることで、富士北麓地域に医療の穴が生じるわけで、これが正しい協議の結果と言えるのか疑問に感じますので、どのような経緯でこのような結果になったのか市長の答弁をお伺いいたします。
また、今回の答弁においても、「富士北麓地域における運営費については、必要に応じ協議検討して参りたい」とありますが、具体的な内容を欠いており、本市が近隣市町村と本当に連携していく気があるのか疑問に感じます。
 市長は誰のために医療体制の連携が必要なのか良く考え、住民目線で医療体制を考える専門機関を設置するなどして本問題に取り組んでいただきたいと思いますが、市長の考えをお伺いいたします。
 これにて、2回目の質問を終わります。
《横山勇志議員 第1標題2回目の質問に対する答弁》

 横山議員の2回目の御質問にお答えいたします。
 まず、土曜日の外来診療休診についてでありますが、山梨赤十字病院と協議を進めて参りました結果、両病院が同じ土曜日の外来診療休診を決定したものであります。今回の決定が、昨年12月定例会において答弁いたしました内容と異なる結果となりましたことは、遺憾に思っております。しかしながら、全国的に勤務の過酷さが指摘されている勤務医や看護師不足は、富士・東部医療圏においても、誠に厳しい状況であり、勤務医をはじめとする医療従事者の執務環境や労働環境の改善等を図ることが、両病院による継続した安全で安心できる地域医療の提供につながるものとして、決定いたしました。
 今後におきましては、これまで以上に、富士・東部圏域の基幹病院として二次医療や二次救急医療を中心に、山梨赤十字病院と連携しながら、万全の体制で進めて参りますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、富士北麓地域における総合的な医療体制に伴う運営につきましては、現在、策定中であります「公立病院改革ガイドライン」の中で、国が求めている経営の効率化や再編ネットワーク化も含め、公立病院の果たすべき役割である必要な医療を安定的かつ継続的に提供するため、協議、検討して参りたいと考えております。
 また、専門機関の設置につきましては、既に、富士・東部の医療関係者及び関係市町村で構成されている富士・東部地域保健医療推進委員会、さらには当面の課題であります周産期医療につきましても専門医からなるワーキンググループが設置されており、横山議員御指摘の広域における医療問題への対応は既に行っておりますので、今後もこの委員会及び専門委員会を核として、引き続き、取組んで参る所存であります。
 以上、答弁といたします。
 是非とも、本市市民はもとより、近隣住民にとっても、安心、安全な医療体制の確立にご尽力していただきたいと思います。

≪環境と景観に配慮したまちづくりと富士山世界文化遺産の登録について1回目質問≫

 続きまして、標題2、環境と景観に配慮したまちづくりと富士山世界文化遺産の登録について質問します。
 私は平成19年12月定例議会の一般質問でも触れたとおり、本市をはじめ富士北麓地域にとって、富士山は欠かすことのできない唯一無二の存在であり、環境と景観が富士山と融合することで更に富士山の資産価値が上昇し、本市を中心とした将来の富士北麓地域が豊かで文化的な地域へと変化するものと確信しており、その効果的かつ効率的な方法は、本市の気構えであり、内外に向けたアピールであると質問しました。
その中で市長は、「一人ひとりが、環境に対する自らの責任を自覚しつつ、地域を挙げて、より良い環境をつくっていこうという意識の高まりが、望ましい環境像でありますので、市民参加型の環境立市の実現を目指すため、なお一層、市民等への意識醸成を図りつつ、環境先進都市としての取り組みを、市内外に向け広くアピールして参りたいと考えております」と答弁されました。
 しかし、その後の市の対応を注視すると、先の答弁は口先だけで、全く真摯に受け止めていないと言わざるを得ません。市長自らアピールするための行動を何か起こしたのか、市としてはどうなのか、疑問は尽きません。これでは平成17年に制定した本市の環境基本条例の前文が泣いてしまいます。平成20年1月に福田首相は、施政方針演説の中で温室効果ガス排出量の大幅削減に挑もうとする国内の環境モデル都市10都市を選び、政府は重点的にバックアップしていく方針を表明しました。私は駄目でも良いから本市も手を挙げるべきだと主張しましたが、態度を曖昧にされました。
 つまり、気構えが全く無いのです。これが私の愛するまちだと思うと情けなくなります。ちなみに山梨県では、山梨市と北杜市が選定を目指して応募しており、北杜市を例に挙げると、大規模太陽光発電研究施設やJR小海線のハイブリッド列車、自然環境を生かした環境施策を提案し、白倉北杜市市長は「10都市に選定されれば、環境施策に積極的に取り組む市として、広くPRする機会になる。選定のハードルは高いが、官民一体となって選定を目指したい」と述べられています。私は、この発言を聞いて本市との気構えの差異に愕然としました。一方、都留市では水力発電の設置で大きな話題となったことは周知の事実です。
 そもそも環境施策に対して、本市が後れを取る理由は何なのか、本市は本当に行動する気構えがあるのか、前回の答弁のように当たり障りのない美文を並べるだけではなく、市長の本当の思いをお伺いいたします。
 次に私は、環境と同時に景観も本市の資産価値を高める有効な手段だと思っています。
 私は、早ければ3年後に控えた富士山世界文化遺産を睨んだ本市の施策が未だに見えてこない現実に憂慮しており、先にも述べたように、本市は富士山という他に類をみない財産を抱えております。日本人なら誰でも憧れ、畏怖の念を抱くこの山が本市にあり、富士山世界文化遺産の登録は間違いなく本市を含めた周辺地域の価値を高めることになります。しかしながら、本市では富士山を有効な財産として活用しきれていません。私は、本市が環境問題に積極的では無いことと同時に、景観に対してのまちづくりにも配慮が足りないことが一つの要因であるからだと考えます。
 先日オープンした御師旧外川家住宅にしても、歴史的景観と街並が調和しているのならば、本市にとって文化的価値があるのであり、今以上に観光面でも大いに寄与するものと思われます。
 そこで、富士山世界文化遺産の登録と、それに関連した本市の環境と景観への取り組みを市長にお伺いいたします。
これにて1回目の質問を終わります。

《横山勇志議員 第2標題1回目の質問に対する答弁》

 環境と景観に配慮したまちづくりと富士山世界文化遺産の登録についての御質問にお答えいたします。
 まず、本市の環境施策についてでありますが、自治会による資源ごみの拠点回収、官民一体となったオフィス町内会の導入、生ごみや有価物をはじめとする資源回収の拠点として環境コミュニティオプティクの設置、地方公共団体としては取組みの早かったISO14001の導入と地球温暖化防止対策実行計画など、他の自治体と比較しても遜色がないものと考えております。
 また、環境についての私の考え方につきましては、昨年12月定例会におきまして、横山議員に答弁申し上げましたとおりであり、何ら変わってはおりません。私の環境への取組みが非常に見えにくいとの御指摘でありますが、ここ数年の懸案事項でありましたごみ減量化対策となる指定ごみ袋の導入、ごみステーションでの資源物回収などの実施に向けた準備作業を進めております。
 また、市は地域の事業者として大きな環境負荷を持つことから、自ら率先して事務事業に関しての温暖化対策を行う必要があり、グリーン購入の推進や二酸化炭素の削減に向けた公共施設への自然エネルギーの導入などを行い、エコオフィスとして地球温暖化防止への取組みを進めております。
 さらには、明見湖公園をはじめとした地域の環境資源を活かした環境体験プログラムを実施するなど、本市の自然環境と地域特性を生かした「環境力」を市内外にアピールして参る所存であります。
 次に、富士山世界文化遺産の登録に関連した環境への取組みについてでありますが、本市では積極的なボランティア清掃への支援や休日、夜間を含めた監視パトロールなどの不法投棄防止対策により、ごみの散乱や不法投棄物による環境破壊や景観の悪化の防止対策を実施しており、今後も富士山の環境保全と景観を維持するため最善の努力をして参ります。
 次に、富士山世界文化遺産登録についでありますが、平成23年度の登録を目途として、本年度は、当該市町村内にある資産候補の保存管理計画書を策定することとなっております。
 本市におきましては、吉田胎内、北口本宮冨士浅間神社、小佐野家住宅及び旧外川家住宅の4件が候補に挙がっており、本年度中の保存管理計画の策定を目指し作業を進めているところであります。
 現在は、特に市民生活に影響が出ると考えられる資産候補を保護するためのバッファゾーンの取扱いについて、県と協議を行っている状況であります。
 また、景観への取組みといたしましては、平成19年度から山梨県の呼びかけにより、富士北麓地域の市町村と山梨県とで景観行政に対する勉強会を開催しているところであり、富士山世界文化遺産登録への取組みも視野に入れる中で、現在、検討しているところであります。
 以上、答弁といたします。
≪環境と景観に配慮したまちづくりと富士山世界文化遺産の登録について2回目質問≫

 環境と景観に配慮したまちづくりと富士山世界文化遺産の登録について2回目質問をいたします。
私は、「環境と景観に配慮したまちづくりを本市がどのような気構えで取り組んでいくのか」と質問したのであって、そのような枝葉をお尋ねしたのではありません。
 北杜市の場合は、当市が以前から環境問題に取り組んできたという実績があり、本市と比べることは酷かもしれませんが、山梨市が取り組もうとしている地域新エネルギービジョンやバイオマスタウン構想、さらに、次世代エネルギーパーク構想などは、本市が策定した、環境基本条例、環境基本計画、さらに新エネルギービジョンと内容面で一致しているところであり、市長答弁にある通り、比較しても遜色がありません。しかし、山梨市では方針を策定しただけに留まらず、少なくとも内外に向けてアピールを始めようとしています。ところが本市は、可もなく不可もなく無難な対応で済ませようとしています。これは正に「お役所仕事」の典型的な例で、文章で策定したら満足してしまう体質なのかと疑念を払拭できません。山梨市にできることが富士山を有した本市にできない訳がありません。
 本市に「環境力」があると本当に思われるのなら、市長自ら「本市は環境景観立市である」と宣言し、市内外に本市の取り組みをアピールするなど、国際観光都市に相応しい態度と気構えで臨んでいただきたいと思います。もし、本年6月11日に行われた富士北麓国際交流ゾーン構想連絡協議会より前に市長の「環境景観立市宣言」が先にあったなら、県ならびに関係市町村を本市がリードしていったに違いありません。しかも、このような状況は今後ますます増えていくことが予想され、市長自ら「本市は環境景観立市である」と宣言をする時期が否応なく来ていると思いますが、市長の考えをお伺いいたします。
 次に、本市が環境問題に積極的な取り組みをしている証として、市内外に印象付ける具体的なシンボルが必要だと思います。市長の答弁にありました「市民等への意識醸成を図る」意味でも、また、本市を広くアピールするためにも環境に配慮したシンボルが必要です。
 私は常々、環境問題とは最初から費用対効果を望んではいけないと思っております。過日、明治大学跡地の企業誘致に応じてくださった株式会社牧野フライス製作所担当者のお話を伺う機会がありました。その中で、同社の企業理念としての方針から「明治大学跡地に建設する当該施設は、環境に配慮し、景観を周囲と調和させる」とのことでした。奇しくも、前年12月定例議会の一般質問の中で私が述べたように「環境と景観に配慮した企業の誘致」になったわけですが、そのようなことより、一民間企業がこのような取り組みを行う理由を、市長はもちろん、職員の皆さんも良く考えるべきだと思います。一見すると、面倒で初期投資の必要な環境問題こそ、行政が率先して行うべきであり、行政の義務だと考えます。しかも、先の北富士演習場第8次使用協定の国の回答の中に「民生安定事業により整備した施設の運用に経費を要する状況は理解するところであり、今後、太陽光発電システム等その軽減に資する整備事業については具体的な要望を踏まえた上で検討してまいりたい」とあるように国の方針も環境を考慮したものであると窺い知れます。つまり、国の助成についても、今後、環境面に配慮がなされていくことが想定されており、再三述べているように本市の未来に寄与すると思われます。
そこで、現在計画中の文化エリア整備事業を手始めとして、本市が今後計画する東庁舎や小中学校体育館の建て替え事業等の公共施設に太陽光パネルを積極的に設置し、施設運用費の軽減と環境教育の向上を図るべきだと思いますが、市長の考えをお伺いいたします。
 次に、富士山世界文化遺産の登録についてですが、国や県の対応を含め近隣市町村との連携など、まだまだ不確定な部分も多いのですが、たとえ、富士山が世界文化遺産に選定されなくても、環境と景観に配慮したまちなみが本市にとって大きな財産となることは間違いありません。美しいまちなみや歴史と調和のとれた景観は一朝一夕にできあがるものではありませんし、また単に行政だけで解決できるものでもありません。私は、本市独自の景観条例を検討する時期が来ていると思いますが、市長の考えをお伺いいたします。
 これにて、2回目の質問を終わります。
《横山勇志議員 第2標題2回目の質問に対する答弁》

 横山議員の2回目の御質問にお答えいたします。
 まず、本市の環境景観立市の宣言についてでありますが、環境基本条例及び環境基本計画におきまして、既に本市が目指す目標と理念が明文化されており、環境立市の行政執行方針は明確になっているものと考えております。
 さらに、環境基本条例には「環境の保全と創造に関する基本的施策」が具体的に列挙されておりますので、その内容を具現化した環境基本計画に基づき、毎年、環境関連の施策を実施しているところであります。また、環境基本計画により実施した環境側面を有する事務事業の評価を行い、毎年、その実績を環境基本計画年次報告書として公表しているところでもあります。
 今後におきましては、横山議員御発言の環境景観立市の趣旨を踏まえながら、本市の環境力を最大限に活かした総合的な施策を強力に推進し、環境教育、環境学習の機会を創出し、その成果を広報誌やインターネット等を活用して環境情報を市内外に発信して参りたいと考えております。
 次に、公共施設への太陽光パネルの設置についてでありますが、現在、公共施設のうち、環境美化センター、環境コミュニティオプティク、下吉田東小学校には、太陽光発電や小型風力発電等の自然エネルギーシステムを導入し、温室効果ガスの削減や電力エネルギーの軽減だけではなく、子供たちの環境学習にも効果をあげているところであります。
 さらに、現在、整備を進めております市民文化エリア施設への太陽光発電施設の設置につきましても、文化エリア整備事業の基本設計におきまして検討を重ねているところであります。
 今後におきましては、限られた財源ではありますが、事業の優先度を勘案する中で、小学校体育館をはじめとする公共施設への計画的導入に向け、積極的に取り組んで参りたいと考えております。
 次に、本市独自の景観条例についてでありますが、現在、富士北麓地域の市町村と山梨県との勉強会等において、世界に誇れる富士山の景観を活かした街並み空間など、本市の景観上の諸課題につきまして研鑽を重ねているところであります。
 今後におきましても、引き続き、これらの検討を重ねる中で、富士山をはじめとする自然景観や貴重な歴史的文化財などを活かした本市固有の優れた景観と調和したまちづくりに向けて、積極的に研究して参りたいと考えております。
 以上、答弁といたします。
≪環境と景観に配慮したまちづくりと富士山世界文化遺産の登録について3回目質問≫

 環境と景観に配慮したまちづくりと富士山世界文化遺産の登録について3回目質問をいたします。
 今までの答弁では的を射ていないので、「本市はどうして環境モデル都市10都市の候補に手を挙げなかったのか」の一点だけ市長に再度お伺いいたします。
 これにて、3回目の質問を終わります。
《横山勇志議員 第2標題3回目の質問に対する答弁》

 横山議員の3回目の御質問にお答えいたします。
 環境モデル都市10都市事業への応募についてでありますが、これは、国が応募基準といたしまして、温暖化効果ガスの大幅な削減、他の地域の模範となるような先導性、独自のアイディアなどの視点に立った、実現可能な取組みを持続的に展開していく先進的なモデル都市を対象として募集したものであります。したがいまして、現時点での本市の「新エネルギービジョン」に掲げる施策の進捗状況を考慮し、今回の環境モデル都市10都市への応募を見送ったものであります。
 この判断に至った考え方といたしましては、昨年3月、本市の地域特性等を踏まえた「新エネルギービジョン」を策定し、優先的に取り組む重点プロジェクトとして、家庭における太陽熱利用・太陽光発電などの導入支援、公共施設等への自然エネルギーの導入など、現段階ではこうした施策を着実に一つひとつ積み重ねていくべき段階であると判断したものであります。
 今後におきましても、深刻化する地球温暖化問題やエネルギー問題への対応を図り、富士山の多様性に富んだ自然環境を将来の世代に継承していくために、本市の特性にあった環境施策を進めて参る所存であります。
 以上、答弁といたします。
 市長の答弁を拝聴する限り、環境政策の優先順位は低いように思えます。ですが、富士山世界文化遺産を控え、環境政策は本市の産業の柱になりうる可能性があり、ひいては本市の進めている企業誘致も有利に働くことは間違えありません。むしろ、近道ではないでしょうか。

≪農業政策について1回目質問≫

 続きまして、標題3、農業政策についてご質問します。
皆さんご存じの通り、本市は高冷地に位置し、土地も痩せていることから、元来、農作物の育成に不向きな場所でした。しかしながら、農業技術の発展や人々の努力の結果、多少なりとも農業のできる地域へと変貌してきた歴史もあります。ところが、近年の農業の実態は、全国的な農業従事者の後継者不足もあり、その中でも山梨県の休耕地は47都道府県中ワースト2という現実もあります。
 しかし、本市は富士山を有した風光明媚な場所という立地条件や、広大な農業地区が存在しており、観光農園という新しい農業を模索するのに適した場所であるともいえます。現に大手旅行代理店は本市に注目し、地元有志の協力の下、農作物収穫祭観光ツアーとして、15,000人から20,000人規模の計画を進めている最中であります。現在の農業は従来の農業に固執する以外に潜在的な力を秘めていると考えを改めてもらう必要があると思うのです。
 たとえば、先例の農作物収穫祭観光ツアーのように、富士山を眺めながらトウモロコシや枝豆を収穫し、その場で採れたての生産物を頂く等の経験型農業が都会の人にとって得難い幸せなのだと、私たちは感じることです。そのための条件が本市には数多く残されていると思います。ここで私の質問する農業政策とは、従来の農業政策の範囲をもう少し柔軟に拡大して、新しいアイディアによる農地の活用方法、あるいは新しい農業の可能性について、本市がどの程度積極的に考えているのかをお聞きするものです。
 現在、農作業の後継者は減少しつつありますが、観光農園などの新しい可能性を見出している人がいるということも事実です。また、スローライフに憧れて農作業を始める都会の人が増えてきているということも事実です。昨今の食への安全性の問題や地産地消という食生活改善運動は農産物への関心が如何に高いかを示しています。
 このような流れは同時に、経験豊富な農業従事者のアドバイスや手助けなど高齢者の知恵にすがるより方法もなく、新しい雇用の創出にも繋がると思われます。
 本市はこのような農業へのニーズを的確に情報収集し、新しい農業への挑戦に資金援助や補助等を行い、農業経験者や農業の未来にかける人たちを積極的に手助けするべきだと思いますが市長の考えをお伺いいたします。
 これにて、1回目の質問を終わります。

《横山勇志議員 第3標題1回目の質問に対する答弁》

 農業政策についての御質問にお答えいたします。
 本市を取巻く農業の現状は、横山議員御発言のとおり厳しい自然環境の中、農業従事者の高齢化や担い手不足等により、耕作する農地も減少する状況にあります。このような中、市では、生産性の向上と優良農地の確保のため、中山間地域総合整備事業による効率的な圃場整備を実施し、農家にあっては地域の特性にあった野菜苗、花壇苗の組合生産、酒米の栽培、味噌等加工食品の原料となる青畑大豆の栽培を行い、販路が拡大しつつあります。また、ブランド米のミルキークィーンを学校給食の食材として取り入れたり、農村女性アドバイザーによる地場産品の食育活動も行うなど、地産地消を積極的に進めているところであります。
 今回、旅行代理店が計画されている農産物収穫祭観光ツアーは、多くの県外者が本市を訪れることになり、雄大な富士山を眺めながらの新鮮野菜の収穫は、農業従事者の増収等にもつながり、農業への意欲もさらに増すものと考えております。また、観光農園の拡大を図れるよう地域就農者への協力を働きかけることにより、耕作放棄地の解消を図るとともに、風光明媚な地域の環境を守り次世代へ継承していけるものと大変期待しているところであります。
 次に、資金援助や補助等についてでありますが、「水田農業構造改革対策推進事業補助金」、「中山間地域等直接支払交付金」、「農地・水・環境保全向上対策交付金」などを活用するとともに、低利融資制度を利用できる認定農業者の掘り起こしなどにより、担い手を支援して参りたいと考えております。
 以上、答弁といたします。
≪農業政策について2回目質問≫

 農業政策について2回目質問をいたします。
 本市を取り巻く農業の現状には厳しいものがありましたが、市長答弁の通り、新しい農業の取り組みを着実に行ってきたことで、一筋の光明が見え始めてきたことを素直に評価いたします。このような取り組みを絶やすことなく、今以上にアイディアを持ち寄って推し進めてもらい、本市の新しい産業となるよう、期待しております。
 また、農産物収穫祭観光ツアーが、実際に地元有志の皆さんの努力で計画されており、本市もその動向に期待をしているのなら、何らかの対策を講じる必要があると思います。
 具体的には、城山東農村公園の有効活用やイベントの開催など、観光客の皆さんが本市を訪れて良かったと思うような演出を行うことが、本市の評価を高めると同時に新しい産業の手助けになると思われます。特に城山東農村公園には、水車、東屋、小川、トイレなどの設備があるのにも関わらず、荒れ果て、放置されている印象であることが残念でなりません。通年とは思いませんが、観光客の増加する時期に当該施設の積極的な解放を行い、しっかりとした管理を行ったら良いと思いますが、市長の考えをお伺いいたします。
 また、農産物収穫祭観光ツアーに限らず、休日等には各種団体等に協力を呼びかけ、同公園エリア一帯で農作物の販売所や水車等を活用したイベントを開催したり、また、水路にはマイクロ発電装置を設置するなど、広く内外に本市の取り組みをアピールしたら良いと思いますが、市長の考えをお伺いいたします。
 次に、新しい農業のやり方に興味を持って新規参入する人は農業従事者だけとは限りません。中には農業の経験が全く無い人もいるかと思いますが、新しい農業の担い手として期待をするところであり、既存の農業従事者と連携を図ることで、新しい産業や雇用の創出に寄与すると思われます。
 そこで、農業従事者でない一般の人たちを受け入れ易くするための資金援助や補助、あるいは、農地借用や技術援助などの施策を積極的に行い、広く一般に周知させるべきだと思いますが、市長の考えをお伺いいたします。
これにて、2回目の質問を終わります。
《横山勇志議員 第3標題2回目の質問に対する答弁》

 横山議員の2回目の御質問にお答えいたします。
 まず、城山東農村公園の管理及び公園内のイベント開催についてでありますが、後ほど、都市産業部長をして答弁いたさせます。
 次に、農業従事者でない一般の人たちへの農業への参入についてでありますが、農作物の栽培は長い経験と技術を要するため、大変難しいところでありますが、このような方々と既存の農業関係団体等との連携を図ることにより、技術の習得も容易にできるものと考え、新しい担い手を期待しているところであります。
 このため、有効な農地活用を目指し、農地貸付意向調査等を行い、農地の流動情報を広く収集することにより、農業体験などを希望する一般市民等に対しまして、農地に関する情報提供を行って参りたいと考えております。
 以上、私からの答弁といたします。

【都市産業部長答弁】
 横山勇志議員の城山東農村公園の管理及び公園内のイベント開催についての御質問にお答えいたします
 まず、城山東農村公園の管理についてでありますが、公園内を流れる小川の浚渫を昨年の秋に実施し、雑草の処理につきましても、城山地区の農業関係者との集落協定事業の一環として今月15日に実施したところであります。
 今後におきましても、富士山を背景とした癒しの空間の場となるよう定期的な管理を行って参ります。
 次に、公園内におけるイベントの開催等についてでありますが、既に一部団体に参加を呼びかけ、地元で収穫された農産物食味会を計画しております。また、市立病院東側の農場におきましては「大豆栽培から味噌づくり・やってみ隊」の募集を行い、知識と経験豊富なアドバイザーの指導のもと、栽培から加工までを体験する機会を提供して参りたいと考えております。
 さらに、市内におきましては、市民農園の整備や、小学生による秋の稲刈と餅つき大会を実施するため、地元農業者、保護者の御協力により、すでに田植えを済ませたところであります。本市ではこのように様々な機会をとらえ、農業への触れ合いの場を設けております。
 以上、答弁といたします。

 これからの農業は、第1次産業という枠組みを超えて新しく発展していく可能性もあり、ひいては耕作放棄地の解消、自給率の向上に寄与する大切な問題でもありますから、本市の積極的な施策に期待しております。

≪最後のあいさつ ≫

 市長のアピール不足は役所の怠慢でもあります。市長は時代の変化をしっかりと受け止め、従来のレジュームから変革する勇気を持ち続けてください。もちろん厳しい財政のこともありますから、知恵で挑戦してほしいと思います。私は、「知恵を出し続けることを惜しまなければ必ず明るい未来が見えてくる」と確信しております。
 以上、これにて私の一般質問を終わります。