富士吉田市議会市議会議員横山勇志一般質問


公な意見でもあり、市政への質問です
一般質問録
≪第三回(2008年12月)横山勇志一般質問≫

 平成20年12月定例議会において一般質問をさせていただきます。
 さて、今回の私の質問は、「富士山世界文化遺産とまちづくりについて」の1点のみを市長にお尋ねしたいと思います。
≪富士山世界文化遺産とまちづくりについて1回目質問≫

 皆さんご存じの通り、山梨県ならびに本市を含めた近隣市町村は3年後の富士山世界文化遺産登録実現に向けての準備作業が本格的に進んでまいりました。本市におきましても、住民説明会を始め様々な周知活動や富士山ナンバーの導入等によって住民の関心も高まってきており、そのような流れの中でも特に私が感じていることは、地域のまちづくりを真剣に考え、富士山世界文化遺産を前向きにとらえた問題意識の高い住民が意外に多いということです。
しかしながら本市の対応は、まちの景観ひとつをとっても具体的なビジョンを示し切れておらず、住民意識の高さに比して当市の対応が追付いていない部分が多々あると思われます。特に私が過去数度にわたって質問してきた「環境と景観が本市の重要な資産である」ということを踏まえた質問に対しても、市長は答弁の中で本市の進むべきビジョンを明確にしているように思えません。私は、市長の具体的なまちづくりのビジョンが住民に周知されていなければ、富士山世界文化遺産のコアゾーンやバッファゾーンに伴う規制の根拠の説明等も住民に理解していただくことが難しいと考えます。
市長は、具体的な将来のビジョン、つまり、本市をどのようにしたいのか「映像を見るがごとく」まち並みを語り、同時にそのことは富士山世界文化遺産とどのように関連していくのかを分かりやすく解説し、その過程としてどのような施策や計画が考えられるのかを丁寧に説明することが正しい順序であり、住民の意識を一つにする原動力であると思います。
そこで、富士山世界文化遺産を踏まえて、本市の進むべきビジョンや希望の持てるまち並みの様子を具体的に映像として目に浮かぶように市長の口から直接お聞きしたいと思います。
また、本市の進むべきビジョンや希望の持てるまち並みの様子をご答弁された後、その実現に向かって考えられる具体的な施策や計画があるのか引き続き市長にお尋ねします。
これにて第一回目の質問を終わります。

《横山勇志議員 1回目の質問に対する答弁》

 横山勇志議員の本市の進むべきビジョンや希望の持てるまち並みの様子についての御質問にお答えいたします。
 本市の総合計画におきましては、本市の目指すべき将来都市像として「富士の自然と文化を活かし、ともに築く自立と創造のまち富士吉田」を標榜し、総合計画の視点としては、「ここに暮らす人が満足できるまち」、「ここを訪れる人が満足できるまち」、「市民とともに創りあげるまち」を掲げ、また、長期的展望に立った本市が目指す都市像とそれを実現するための8本の柱からなる施策の大綱を明らかにしております。
 そして、基本計画は、基本構想で示した施策の大綱に基づき、部門ごとに施策を体系化した内容となっており、それを具体的に推進させていくために、財政計画・実施計画をそれぞれ策定させていただいたものであります。
 これらの計画は、市制施行以来、その時々の為政者や議員、市民や事業者など先人たちが連綿として築き上げてきた今日の本市のあり様をさらに一歩推し進め、時代に即応し、市民が誇りを持ち愛することができるふるさとづくり、市民と行政が協働するまちづくりを目指すために策定いたしました。したがいまして、富士山世界文化遺産登録を踏まえた本市のまちづくりビジョンにつきましては、これまでの先人たちの知恵と愛情により積み上げられた本市の姿を基本としつつ、富士山世界文化遺産登録が本市の発展にさらに弾みをつける施策となるよう創意工夫をしていく必要があると考えております。
 具体的には、議員協議会や住民説明会でお示ししたとおり、富士山世界文化遺産登録に向けての取組みの中で、コアゾーン・バッファゾーンを構成する国道139号沿線区域の規制につきましては、これまで近隣商業地域として用途を指定し発展してきた事実を尊重し基本的に建物の高さ制限のみとさせていただき、市民生活に過度な負担をかけないよう配慮させていただきました。今後においても引き続き、富士山世界文化遺産登録に係るコアゾーン・バッファゾーンエリアとして相応しいまち並づくりと周辺地域の経済発展が両立する施策の展開を図って参りたいと考えております。
 また、山梨県知事が推し進める富士北麓地域への電線地中化施策につきましても、本市域内への誘致を図り、奇跡とも思える美しい霊峰の山容を際立たせる仕掛けづくりにも積極的に取り組んで参ります。さらに、市域全体につきましても、先月6日の議員協議会においてお示しした都市計画用途地域見直し案の考え方を基本としながら、本市が古くから富士山の麓に広がる高原都市として発展してきた経緯を踏まえ、周辺に広がる恵まれた自然環境や御師文化をはじめまちを形づくってきた歴史的・文化的な資産を保全し、まちのどこからも富士山が眺望できる、富士山と一体になった都市空間を形成していく景観に配慮したまちづくりを推進して参ります。
 本市の進むべきビジョンにつきましては、これまで答弁いたしましたとおり、基本的には第5次総合計画に全て網羅してあります。希望の持てるまち並みの様子につきましては、当面、景観施策の検討、広域幹線道路計画などの推進に焦点を絞り、市民の皆様がいつまでも暮らしたいと思うまちづくり、本市を訪れる観光客等がまた来てみたいと思うまちづくりに力を注いで参りたいと考えております。
 以上、答弁といたします。
富士山世界文化遺産とまちづくりについて2回目質問≫

 富士山世界文化遺産とまちづくりについて2回目の質問を行います。

 私はただ今の市長の答弁で何人の人が本市の将来像を想像できたのか非常に興味があります。少なくとも私の頭の中に市長の言葉は響いてきませんでしたし、映像が見えてきませんでした。先の統一地方選挙の際に市長が掲げたマニフェストや立会演説会の言葉の中には夢と希望と本市の将来をちりばめた言葉があったのに一般質問の答弁となると、その片鱗も見えないことが不思議でなりません。行政の継続性には理解を示しますが、時には市長の指導力で本市を引っ張っていくぐらいの思いのこもった答弁をお聞きしたかったです。
 さて、私が思うところの環境や景観に配慮したまちづくりの本質の一部は、21世紀型の新しい公共事業と雇用の創出であり、富士山世界文化遺産が盛り上がっている今こそ本市が外部から財源を獲得できる絶好の機会であると思います。もちろん、富士山を含めた環境や景観に配慮したまちづくり、さらに歴史や文化に配慮したまちづくりによって本市の資産価値が上昇し、本市の観光面に寄与すると同時に将来の子供たちに残してやれる大切なことであることに変わりはありません。そしてその目標として、環境サミットや国際シンポジウムの開催といった目的で世界各国から世界一風光明媚な本市に人々がやってくることを想像します。
私は、本市の財政が厳しいとか先人の継続があるとかを標榜して新しい試みに消極的な姿勢を採るより、知恵と勇気と行動力で本市を元気にするビジョンが今こそ必要な時期だと思いますし、時代の変化と要求は速いと思います。
 その中で、市長が答弁の中で触れたとおり、平成20年11月21日に行われた第9回富士箱根伊豆交流圏市町村サミットの席上で横内知事が富士北麓地域を新しい環境モデル都市として強い関心を示され、特に電線地中化を力説していた事は注目に値します。私も本市の進むべきビジョンの一つとして、富士山と一体化した総合的な景観こそが将来の発展に繋がるキーワードだと考えており、また21世紀型の公共事業になりうるものとして過去数度にわたって質問してきました。
私も実際に市内を巡ってみましたが、電線なしに富士山を眺望できる絶好のポイントは非常に少なく、わずか数か所に限定されています。
私は今回の質問に当たり、平成7年度に都市計画道路「笛吹市石和市部通り線」として都市計画決定されたまち並みを視察してきました。当該路線では特に歩道整備に着目し、安全で快適に楽しく歩ける歩行空間を確保するとともに、「住民参加による魅力あるまちづくり」をテーマにした街路整備であります。当然、かつての無秩序な電柱や電線は一掃され、広々と明るい歩道の一部には足湯も整備されており、そこには近所のお年寄りが数人で談笑しておりました。また、隣の富士河口湖町では、7億円規模で通称大橋通りの電線地中化が進んでいることは皆さんもご承知の通りです。私は、本市でも観光の資産価値の高い地域から優先させて電線地中化を推進し、統一感のあるまち並みを実現させることが早急に必要だと考えています。
 そこで、先の横内知事の発言を踏まえ、県の現状と県に対する当市への誘致も含めた具体的な働きかけについて市長にお伺いいたします。
さて、電線の地中化といった「見た目のまちづくり」も大切なことですが、いくら外見が素晴らしくても細やかな気遣いが伴っていなければ「本当のまちづくり」も底が浅いと言わざるをえません。さて、細やかな気遣いという言葉から連想される例は数多くあると思いますが、私は、まちづくりの一環として公衆トイレ事情が大切だと思います。
具体的には、第二小学校グランドバックネット裏トイレと鐘山グランドバックネット裏トイレのことで、特にこの二つのトイレは臭くて暗く、女性には怖いと住民にも評判が悪いことは私も聞き及んでおります。また、本市で開催されるイベントなどで他地域の招待者が集った時など、せっかく風光明媚な本市に触れていただいたのにトイレを使用することによって不愉快な思いをさせ恥ずかしく思います。
例えば、見た目が豪華で立派な家を訪問した時に、その家のトイレがきちんとしていなければがっかりしてしまう例があると思いますが、私は自治体でも同じことが言えると思います。市長が答弁の中で「市民の皆様がいつまでも暮らしたいと思うまちづくり、本市を訪れる観光客等がまた来てみたいと思うまちづくりに力を注いで参りたい」と考えるのなら、「先ず隗より始める」との言葉通り、先ず市内二か所のトイレを整備することが細やかな気遣いのできるまちづくりの一歩ではないかと思いますが、市長の考えをお伺いいたします。

 これにて2回目の質問を終わります。
《横山勇志議員 2回目の質問に対する答弁》

 横山議員の2回目の御質問にお答えいたします。
 まず、電線の地中化についてでありますが、山梨県におきましては、現在、富士山世界文化遺産登録事業の推進、さらには富士北麓地域が世界有数の国際リゾート地や国際会議場の開催地に適している地域であることなどから、この地域の特性を活かした国際交流ゾーン形成を実現するため、本年6月には、周辺町村や関係機関などで組織する富士北麓国際交流ゾーン構想連絡協議会を設立したところであり、これにより、国際交流ゾーンとして相応しい景観の整備を進めることとしております。こうした施策の一環として、現在、施工中であります中央通り線での電線地中化が進められているところであります。
 このようなことから、本市といたしましても、魅力ある道路空間、景観にやさしい道づくり推進のため、現在、国で計画をしております国道138号の4車線化に伴う道路整備計画における電線地中化を積極的に要望するとともに、山梨県に対しましては、本市の良好な景観形成や富士山の眺望等を配慮した電線地中化事業の拡大を強く要請して参りたいと考えております。
 次に、トイレ整備につきましては、教育部長をして答弁いたさせます。
 以上、私からの答弁といたします。

【教育部長答弁】
 横山勇志議員のトイレ整備についての御質問にお答えいたします。
 まず、下吉田第二小学校グラウンドバックネット裏のトイレについてでありますが、現在地での改築につきましては、敷地が狭小であることから、下吉田第二小学校校舎南側の第2グラウンドに建築計画を進めております屋内体育館の完成後、現在の体育館の跡地の整備に合わせ、改めて検討して参ります。
 次に、鐘山総合グラウンドのトイレについてでありますが、周辺には、グラウンド管理棟や鐘山総合体育館、さらには農村公園にもトイレが設置されていることから、これらの利用を促進し、また、観光客等のトイレとしては、歴史民俗博物館駐車場のトイレの周知を図って参ります。
 今後、鐘山総合グラウンドトイレにつきましては、その利用状況等を勘案し、整備を行うか、または、撤去するかを改めて検討して参ります。
 以上、答弁といたします。

 ありがとうございました。

 今後はさらに広く民間などから知恵を取り入れ、官民一体となってより良い富士吉田市を目指してゆくことも大切なことだと思います。例えば忠霊塔や富士山登山道などに富士山ライブカメラを設置して富士山と本市の魅力を内外にアピールするなど、低予算で本市の知名度を上げる方法はいくらでもあるはずです。
 私は富士山世界文化遺産という枠組みが仮に無くても、富士山と一体化した環境と景観と歴史と文化の薫る風光明媚なまち並みが本市の大切な資産になると確信しています。そして、そのアピールこそが本市のビジョンであり、将来の子供たちに残す大切な財産であると思います。
結びに電線地中化に関しましては、現在計画されている道路整備計画を進めるとともに、本市では特に富士山の景観が素晴らしい、本町通り、昭和通り、富士見バイパス等の通称縦道についても積極的な誘致を期待しております。

 これにて質問を終わります。ありがとうございました。