富士吉田市議会市議会議員横山勇志一般質問

 

公な意見でもあり、市政への質問です
一般質問録
≪第十二回(2018年9月)横山勇志一般質問≫

ただ今より、平成30年9月定例議会の一般質問を始めたいと思います。
 今回私が質問することは、「子どもたちの教育環境について」の1点をお伺いしたいと思います。

≪子どもたちの教育環境について1回目質問≫

 標題1、子どもたちの教育環境ついて1回目の質問をいたします。
 皆さんもご存知の通り、昨今マスコミ等をにぎわしているパワハラ、いわゆるパワー・ハラスメントの問題ですが、これらの問題は言い換えると「指導する側と指導される側の悪い部分」が顕著に出てきたことが原因で、「いわゆる悪しき昭和の慣習が現在においては、もはや通用しない」ということだと思います。実際に小中学校の教育現場に当てはめてみましても、教師と生徒、クラブの上下関係、同級生同士の上下関係等、従来なら水面下に潜ってしまうような問題もSNS等の情報発達と相まって顕在化し、拡散する方向にあります。その結果、教育現場で些細なことだと思い込んだ認識も実は現在のモラルと乖離しており、その誤解を解くためには素早い対応と適切な情報公開が必須で、その「対処の仕方」そのものが問われているケースもあります。
 残念なことに過日、本市においても教育現場の混乱がマスコミに報道されてしまいました。しかし、結果としてそれは、たとえ小さな出来事だと思っても対処方法とルールをきちんと踏まえることが大切だということです。また一方で、一昔前には想定もしていなかった少子化問題などをはじめ、諸問題が多々あります。
以上を踏まえた上で、市長は新たに任命した杉本武雄教育長とともにどのような方針のもと子どもたちの教育環境を担っていくのか市長の考えをお伺いしたいと思います。
 次に、こちらも一昔前には想定をしていなかった問題ですが、市長に改めて質問したいと思います。それはここ数年、また今年に入ってから特に顕著だった猛暑対策についてです。ニュース等の報道によれば、今年は猛暑の影響で5月から8月5日までに熱中症だけ見ても全国で7万人以上の人が搬送され、死者は138人だったそうです。なによりも授業による課外活動や部活動の最中に熱中症となった児童も後を絶たず、その対策も後手にまわった感もありました。もはや「子どもは元気よく外で遊ぶ」などと言えない時代になったのかもしれません。このような状況下の中、国も「全公立小中学校にエアコンを設置する補正予算案を秋の臨時国会へ提出する予定」とのニュースも飛び込んできました。もちろん、地域によって対応は異なるでしょうが、例えば8月23日現在の山梨県のエアコン設置状況を調べてみますと、国中地域はほぼ全ての小中学校普通教室に設置済みで、郡内地域は大月市で設置済み、都留市、富士河口湖町では設置予定とのことです。
市長は就任以来、小学校屋内体育施設改築事業を皮切りに、私も保護者の陳情を受けて平成22年12月定例議会の一般質問で行ったこともある小中学校トイレ改修事業に予算を割り振り、子どもたちの教育環境向上を支援していただき大変感謝しております。
そこで市長にお伺いいたします。前述の事業が一段落した今、本市の小中学校全校にエアコンを設置し、子どもたちの安心・安全を確保してあげるというのはいかがでしょうか。また、小中学校だけでなく、本市の保育園全施設にエアコンを設置したらと思いますが市長の考えをお伺いいたします。
 さらに猛暑対策の一環として、運動会等の行事も時期を前後に移動させる措置が全国で実施されているとの話を聞きます。本市も柔軟な対応が望まれると思いますが市の考えをお伺いいたします。

 以上で標題1、子どもたちの教育環境について1回目の質問を終わります。

《横山勇志議第員 1標題1回目の質問に対する答弁》

 横山勇志議員の子どもたちの教育環境についての御質問にお答えいたします。
 まず、どのような方針の下、子どもたちの教育環境を担っていくのかについてでありますが、本市における学校教育の施策は、第6次富士吉田市総合計画に基づき、富士山教育を基本理念として特色ある学校づくり、国際理解教育、特別支援教育、食育なども含め、教育の「質」の向上を常に目指した教育活動を展開することとしております。
 具体的には、地域ごとの特色ある郷土を学び、郷土愛を育む心豊かな児童生徒の育成に努めるとともに、平成32年度に全面実施される新学習指導要領への移行措置として、小学校外国語活動及び小中学校外国語科の授業を充実させるため、市内小中学校に派遣している外国語指導講師を本年度2名増員し9名として、国際理解教育を推進しております。
 また、様々な特性を持つ児童生徒が円滑に学習活動や学校生活を送ることができるように特別支援教育支援員を効果的に配置するとともに、不登校や問題行動等様々な課題を抱える児童生徒やその保護者に対応するため、総合教育支援員に加え、本年度新たに福祉部門などの関係機関との連携強化を目的に臨床心理士やスクールソーシャルワーカーを任用し、支援体制を一層充実させております。さらには、新給食センターにより学校給食を充実させるとともに、アレルギー対応や食育の推進にも努めているところであります。
 一方、教育現場の多忙化解消のため、教職員の校務を支援するために本市独自で構築したシステムの更なる活用を図り、また、教職員への専門的な指導研修の実施によりその資質の向上に努め、信頼される学校づくりを推進して参ります。
 また、近年問題となっている少子化につきましても、その動向を見極めつつ、適正な教育環境の下で義務教育が受けられるよう調査研究し、取り組んで参ります。
 いずれにいたしましても、学校現場と教育委員会が連携を強化し、これら多くの取組みを推進していくことが、児童生徒一人ひとりに寄り添った教育活動の推進につながるものと考えております。
 次に、市内小中学校及び保育園へのエアコン設置についてでありますが、本年の記録的な猛暑は、その異常ぶりが全国各地で報道され、大きな話題を呼んでおります。このような状況でありますので、各小中学校と保育園には、改めて暑さ対策について注意喚起を促したところであります。
 また、エアコンの設置につきましては、現在建設中の(仮称)市立第7保育園やエアコン未設置の学童保育施設について本年度中に順次設置に努めて参ります。加えて、来年度以降も予想される記録的な猛暑を鑑みますと、多額な経費を要するものの、園児や児童生徒の体調管理に関わることでありますので、教室等へのエアコンの設置に向け、前向きに検討して参ります。
 次の運動会等の時期の柔軟な対応につきましては、教育長をして答弁いたさせます。
 以上、私からの答弁といたします。

《教育長答弁》

 横山勇志議員の運動会等の時期の柔軟な対応についての御質問にお答えいたします。
 本市では、本年度の中学校学園祭を9月8日と9日に、小学校運動会を9月15日に実施する方向で既に練習に取り組んでおります。本年度につきましては、当初に計画した学校行事などをこの時期に変更や調整をすることが非常に困難であることから予定どおり実施して参ります。
 しかしながら、来年度以降も猛暑が続くことが予想されることから、運動会等の実施時期につきましては、他の学校行事の実施状況も踏まえて検討して参ります。
 なお、本年度につきましては、運動会等の練習段階から、テントでの休息や通常携帯している水やお茶に加えてスポーツドリンク飲料の携帯も促しております。さらに、運動会等の当日におきましては、待機用テントの周りへの散水や給水タイムを設定するなど、暑さ対策を施しながら実施して参ります。
 以上、答弁といたします。

≪子どもたちの教育環境について2回目質問≫

 標題1、子どもたちの教育環境ついて2回目の質問をいたします。
 どのような方針のもと子どもたちの教育環境を担っていくのかは良くわかりました。市長には引き続きご尽力をお願いいたします。しかし、教育現場で不測の事態が起こった場合の対処方法について答えていただいておりません。何か事が起こった場合、どのような方法で情報収集を行い、どのような形で情報公開を行い、どのような形で問題の沈静化を図るのか、その道筋について市長にお伺いいたします。
 ところで、市長答弁にある「教職員の公務を支援するために本市独自で構築したシステム」とありますが、この「本市独自で構築したシステム」についてもう少し具体的に市長にお尋ねいたします。
 次に、本市全部の保育園施設、または小中学校にエアコンを設置する件ですが、市長答弁には「エアコン設置に前向きに検討する」とあります。しかしながら、私は既に検討の段階ではないものと考えております。市長は本市全ての保育施設ならびに小中学校へのエアコン設置について、一日も早く実施するべきだと考えますが、市長の考えをお伺いいたします。
 また、熱中症対策の一環としての学校行事等の日程変更についてですが、当初から予定されている日程を急に変更することは大変なことだと思います。そこで、もし可能なら来年度の行事予定を計画段階で再検討していただきたいと思いますが、市の考えをお伺いいたします。
 最後に、子どもたちの通学路の安心・安全について二点質問をいたします。
まず、本年6月に発生した大阪北部地震の際、残念なことに女子児童が倒れてきたブロック塀の下敷きになり亡くなられるという、大変痛ましい事故が起きてしまいました。お亡くなりになられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。本市ではこのことを受けて早急に子どもたちの通学路の総点検を行い、危険な箇所の把握とともに順次対応しています。そこで市長に質問いたします。本市ではこのことを受けて、通学路の点検をどのようにして行いましたか。また、その把握した危険箇所の対応はどのようにしましたか。
次に、私が平成26年6月定例議会において行った「通学路への防犯カメラ設置」の件についてです。残念ながら年を追うごとに、子どもたちの安心・安全のため、犯罪の抑止力と早期解決の観点から防犯カメラの活躍がますます重要になってきました。市長はこの時の定例議会の答弁で「子供たちの安心・安全を確保するため、防犯カメラの有用性が生かされている先進自治体のデータ収集や先進地研修等を実施する中で、検討を重ね、その結果について、議会に報告して参りたい」と答えられました。あれから4年の時間が経過した現在、市長には「先進自治体のデータ収集や研修」の結果を踏まえ、その進捗をお伺いいたします。

 以上で標題1、子どもたちの教育環境について2回目の質問を終わります。

《横山勇志議員 第1標題2回目の質問に対する答弁》

 横山議員の2回目の御質問にお答えいたします。
 まず、教育現場で不測の事態が起こった場合の対処方法についてでありますが、事案が発生した場合には、学校管理者がその事案に関係する児童生徒及び教職員等から迅速かつ正確にその状況を聞き取り、事実確認をするとともに、保護者へも速やかに連絡を行うこととしております。併せて、その状況につきましては、教育委員会へ報告を行い、常に、学校と教育委員会とが綿密に連携することとしております。これらの一連の情報につきましては、私の下にも遅滞なく、教育委員会から報告を受けることになっております。また、情報公開につきましても、事案に応じその必要性を協議し、必要と判断された場合には、速やかな対応を指示しております。また、問題の沈静化につきましては、事案発生の初期対応が最も重要であることから、児童生徒に寄り添った問題解決に向けての対処方法を的確に協議して進めることを心掛けさせております。
 次に、本市独自で構築したシステムについてでありますが、このシステムは教職員業務支援システムと呼ばれ、本市と慶應義塾との連携協定をきっかけに、教職員の多忙化解消の一助として、教育現場の抱える問題や要望を把握する中で、両者がシステムを構築したものです。このシステムでは、市内全児童生徒の各種情報を一元管理することで、セキュリティ管理も容易になるとともに、指導要録、通信簿、出席簿、健康管理表、成績表等の帳簿を効率的に処理できることから、多くの時間を費やしていた帳簿の処理時間が大幅に短縮され、教職員の働き方に大きな成果が上がっております。
 次に、本市全ての保育施設並びに小中学校へのエアコン設置についてでありますが、本年度は特に記録的な猛暑が続いており、全国各地で様々な事故などが発生しております。こうした状況を鑑みますと、横山議員御指摘のとおり、一日も早いエアコンの設置は私も必要であると考えております。
 したがいまして、多額の費用を要するものの、全ての保育施設並びに小中学校へエアコンを設置して参ります。
 次の熱中症対策の一環としての学校行事等の日程変更につきましては、後ほど教育長をして答弁いたさせます。
 次に、大阪北部地震における痛ましい事故を受けての本市の対応についてでありますが、通学路の点検につきましては、例年9月から10月にかけて本市、富士吉田警察署、富士・東部建設事務所などと合同で実施している通学路安全点検に先駆けて、各小中学校において通学路におけるブロック塀の設置状況について目視による調査を実施いたしました。また、各学校の調査結果を受けて、更に確認が必要と判断したブロック塀がある箇所につきましては、建築住宅課専門職員による現地調査を行いながら、法基準に適合しない可能性のあるブロック塀については、戸別訪問を行い、所有者等の皆様に補助制度の活用などを説明する中で、改修への協力をお願いしている状況であります。
 次に、通学路への防犯カメラの設置についてでありますが、先進自治体のデータ収集や研修結果を踏まえ、登下校時の子どもの見守り、安心・安全なまちづくりを実現するため、防犯上必要性のある通学路上や犯罪多発地域に防犯カメラを設置することは、犯罪の抑止効果があり、非常に有効なものであると改めて認識したところであります。
 このことから、防犯カメラの設置箇所や設置数につきましては、既に富士吉田警察署とも協議を進めており、現在、市内における防犯カメラ設置の効果的な設置箇所等について指導をいただいているところであります。
 今後、運用基準やガイドラインにより、プライバシー保護をはじめ、映像の保存期間やセキュリティ対策、映像等の目的外使用及び外部への提供、防犯カメラの撮影範囲などを定める必要がありますので、こうした観点を含め、防犯カメラにつきましては、プライバシー保護との調和を図りながら、設置して参りたいと考えております。
 以上、私からの答弁といたします。

【教育長答弁】

 横山議員の熱中症対策の一環としての学校行事等の日程変更についての御質問にお答えいたします。
 来年度以降につきましても猛暑が続くことが予想されることから、来年度の学校行事の日程調整につきましては、市内小中学校の校長会などで、計画段階から検討して参ります。
 以上、答弁といたします。

≪子どもたちの教育環境について3回目質問≫

 標題1、子どもたちの教育環境ついて3回目の質問をいたします。
 市長答弁から、不測の事態が起こった前後でその対応がしっかり担保されていることが分かり、私も保護者の一員として安心いたしました。引き続き、現在の新しい価値観に合わせて柔軟に対処してほしいと思います。また、「本市独自で構築したシステム」についても市長をはじめ、関係各所でしっかり連携してより良い教育体制を構築してほしいと思います。
 次に、保育園施設および小中学校へのエアコン設置について、大変前向きな答弁をいただき非常に安心しました。市長答弁にあるように一日も早いエアコン設置を実施していただきたいと思います。そこで市長に再度質問いたします。市長の考えるエアコン設置の実施について、具体的なロードマップをお伺いしたいと思います。
 また、学校行事の計画策定は児童・生徒の安全を考慮しながら前向きに検討していただきたいと思います。さらに同じく、通学路の危険個所の改善も早急に完了していただきますよう、引き続き粘り強い交渉を市長はじめ関係各所にお願いいたします。
 最後に防犯カメラについてですが、市長の前向きな答弁をいただき安心いたしました。プライバシー等、解決しなければならない問題もあるかと思いますが、市長は具体的にいつ頃の設置を目指しているのかお伺いいたします。

 以上で標題1、子どもたちの教育環境について3回目の質問を終わります。

《横山勇志議員 第1標題3回目の質問に対する答弁》

 横山議員の3回目の御質問にお答えいたします。
 まず、エアコン設置の具体的なロードマップについてでありますが、保育園・小中学校へのエアコン設置につきましては、一日も早い設置が必要であることは、私も十分認識しておりますが、各施設いずれも大規模な工事となることから、来年度から複数年かけて順次設置せざるを得ないものと考えております。また、設置につきましては、体調管理が難しい乳幼児から環境を整えるとの考えの下、順次着手して参りたいと考えております。さらに、財源につきましては、国庫補助の活用についても検討して参ります。
 具体的には、工事時期、設置部屋の検討、空調機器の選定、ガス・電気などの熱源の比較、配管ルートや室外機の設置場所等、多岐にわたる事項を工事設計業務として整理し、設計業務終了後には速やかに工事費の予算措置を進め、早期の完成を目指して取り組んで参ります。
 次に、防犯カメラの設置時期についてでありますが、今後、防犯カメラの設置に向けた運用基準やガイドライン等の整備を行い、警察との協議を踏まえ、来年度中には防犯カメラの設置を進めて参りたいと考えております。
 以上、答弁といたします。

 

 今回は市長の前向きな答弁をいただき、大変感謝しております。子どもたちの教育環境、特に安心・安全な環境は保護者にとっても重大な関心ごとです。今後も市長を先頭に全市を挙げて子育てを応援できる教育環境の構築に邁進していただきたいと思います。
これで私の一般質問を終わらせて頂きます。